子供の上手な叱り方
子供の上手な叱り方
子育てをしていると、子どもの叱り方についての問題に直面するもの。
子どもに保護者の方の気持ちが伝わらないのは、叱り方に原因があるのかもしれません。無意識のうちに、逆効果になる言動をしていることも考えられます。
そこで今回は、子どもの叱り方について詳しく解説していきます。
正しい叱り方をすれば3つのメリットが期待できる
1.命の安全を守る
命の安全を守るためにも、正しく叱ることが大切です。例えば、周囲の状況を確認せずに道路に飛び出してしまうと命に関わります。他にも、家の中で火遊びをしたらやけどだけでは済まず、大火事になって命を落とすかもしれません。
近年では叱らない育児法が話題になることもありますが、命の危険に関わることは叱らなければ子どもを守れません。そうならないためにも正しく叱り、子どもの危機管理能力を高めましょう。
2.他人を傷つける行為を防ぐ
人を傷つける行為も“絶対にしてはいけないこと”としてきちんと叱る必要があります。危害を加える行為については、「お友達から嫌われてしまうから」という生易しい理由ではありません。誰であろうと、暴力やそれに関連する行為で他人を傷つけてはいけないのです。当然、身体的なものだけではなく、心を傷つける暴言を吐くことも許されません。
誰でも大切に思ってくれる人がいます。傷つけることは、相手だけではなくその人の周囲まで悲しませる行為です。暴力や暴言から得られるメリットは何一つないことを伝えましょう。
3.社会のルールがわかる
保護者の方に叱られることで、子どもは社会のルールを学んでいきます。逆を言えば、子どもが間違ったことをしたときに誰かが叱らなければ、悪いことだと知らずに育ってしまいます。
例えば、スーパーでふざけて走り回る子どもを叱らずに、そのまま放っておいたらどうなるでしょう。買い物客の中には小さい子どもや高齢者、妊婦さんもいます。もし子どもが勢いよく衝突したら、場合によっては、取り返しがつかないことになります。スーパーで走り回ることは、ただ単に迷惑という一言では済まされないのは周知の事実ですよね。
しかし、子どもは“いけないこと”の区別がつきません。極端に言えば誰からも叱られなければ、これからも社会のルールを無視して自分勝手に行動し、周囲に迷惑をかけてしまいます。当の本人は、まさか自分が問題行動を起こしているとは思わないでしょう。
叱ることは、子どもの将来を守ることにもつながります。
子どもを伸ばす上手な叱り方
それでは、子どもを伸ばす上手な叱り方をご紹介いたします。
・子どもの目を見る
叱るときは子どもの目を見ましょう。子どもと向き合わなければ、保護者の方の伝えたいことを理解させるのは難しいからです。
・叱る理由を説明する
子どもは叱られた理由が分からないことが多いです。叱られたことに驚いてしまい、理由を考えるまで至らないことがあるからです。
また、理由を言わずに頭ごなしに叱ってしまうと子どもは反抗的になり、聞く耳を持ってくれないことも。
忙しいなか、説明するのは面倒だという人もいるでしょう。しかし理由を説明して子どもが納得してくれた方が、改善が見込めますよ。逆に言えば、理由が分からなければ何を直したらいいのか分からないのです。
・子どもの気持ちを肯定してから叱る
一度気持ちを肯定してから叱ると伝わりやすいです。保護者の方に叱る理由があるように、子どもにも理由があります。理由を聞かずに否定してしまうと子どもは自信をなくし、消極的な考えになってしまうかもしれません。
叱るときはどうしてそうしたのかという理由を聞いて、「~したかったんだね。」と認めてあげましょう。そのあとに「でもね、~すると○○ということが起きるから止めようね。」と伝えると理解されやすいです。子どもの自尊心も傷つけずに済みます。
これは小学生、中学生と成長した子どもにも効果があります。保護者の方が子どもの気持ちを理解していることが伝わると、複雑に絡まる心がほどけていくでしょう。叱ることは、子どもとコミュニケーションをとることと同じです。
・改善したら褒める
子どもが間違いを改善したら褒めましょう。
叱られることが好きな人はいないはず。子どもは保護者の方から叱られると、理由はどうあれ悲しい気持ちになります。失敗してしまったことで、自信喪失する子どももいるほど。
叱りっぱなしを止め、改善したら褒めることを徹底しましょう。小さい子どもなら、抱きしめてあげると喜びますよ。子どもは保護者の方から認められること、愛情を実感することで自己肯定感が高まります。
フォローは大事です。“叱る”と“褒める”はセットですよ。
逆効果になるだけ!絶対にやってはいけない叱り方
・人格を否定する
子どもの人格を否定する叱り方は、絶対にしてはいけません。
保護者の方から否定された子どもは、自分の存在価値が分からなくなってしまいます。自信がなくなり、やる気も失われ、ネガティブ思考になるといったマイナスのことばかりが起こるのです。子どもの可能性をつぶす行為は止めましょうね。
・感情的になって怒鳴る
怒鳴るというのは、恐怖心を与えることによって子どもから考える時間を奪い、大人の考えを押し付けているのと同じこと。根本的な解決にはならないでしょう。
・人と比べる
人と比べて叱るのは間違いです。保護者の方としては誰かと競争させ、意欲を高めるために「○○ちゃんはお利口さんなのに」と、叱ってしまうのでしょう。
しかし、人と比べて叱ってしまうと、保護者の方の意図する効果は期待できないことがほとんど。子どもは比べられて否定されると、人よりも劣っていると自信をなくしてしまいます。
・くどくど言う
くどくど叱るのは止めましょう。いつまでもしつこく言い続けても、子どもの耳には入りません。短い言葉の中に全てを込めた方が子どもには伝わりますよ。
・手をあげる
子どもを叱るうえで、たたくことは許されません。手をあげることは暴力です。しつけの一環だと主張する人がいますが、暴力は暴力でしかありません。そこから得られる効果は何一つないのです。子どもに恐怖感を与え、支配することは叱るとは言えませんよ。暴力で支配された子どもは、保護者の方以外に危害を加える危険性が高まることも問題です。
まとめ
叱る時は、落ち着いて理由を説明しましょう。また、命の危険に関すること、社会のルールに反することなど、本当に大切なこと以外は叱らずに“できること”を褒めていきましょう。
決して、感情的に怒鳴ったり、暴力で子どもを支配してはいけません。叱るときは子どもを認め、尊重することも大切です。